欠けた半身
ようやく完成しました。正式タイトルは「欠けた半身」。
死んだ双子の片割れを模した人形を抱く少女、というイメージです。
少女の片方が人形である事に気付いた時に設定が見えてくるような狙いで描きました。
前回の記事にて山田唄様から指摘いただいたように、人形と生身の少女の対比として、人形の顔のヒビと少女の涙を対応させて描いています。
前回までで塗り込みは進んでいたので、後はほとんど完成度を上げるための仕上げの作業でした。
水彩で塗り重ねた上からタッチを整えるために鉛筆で加筆を行い、追加した鉛筆のタッチをなじませるために透明水彩を少し重ね、不透明水彩でライトを加筆しました。
最後にアクセントとしてホワイトを散らしてあります。
この仕上げの工程で一気に絵が締まって見栄えが上がってくるように思います。
不透明の加筆は面積としては小さいですが、大きくクオリティを左右する部分です。
画面ではわからないのですが、原画では不透明で描いた部分は紙の下地とは質感が違うのでライト部分が浮き立って見えてきます。
複数の画材による質感の違いが楽しめるのもアナログならではの魅力ですね。
割とスランプ気味で描き始めは苦労した作品ですが、最終的にはいい雰囲気に仕上げられたように思います。
ここまでお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。
この作品の原画は2月26日に開催されるイベント「アーティズムマーケット」にて展示します。前述の通り原画でしかわからない味がありますので、都合のつく方はブースにお越しいただければ幸いです。
イベントの詳細も近日中にまとめたいと思います。
双子 描き込み
修正をしつつ描き込んでいます。だいぶ全体の形が決まってきました。
周囲の薔薇は線をはっきりさせず、ぼかし気味に描いています。
あまりごちゃごちゃさせたくないのと、メインの人物にピントを合わせたイメージにするためです。
形がわかる程度になるべく曖昧に描こうとしていますが、雑になるとなんだかわからなくなってしまうので難しいですね。
メインの人物は主線を中心にペン入れを行いました。こちらはしっかりピントが合った状態を意識したものです。
鉛筆の描写に比重を置くので、ペン入れは補足程度に。
結構修正を重ねているのですが、見ているとどうにも違和感が目に付いてしまいます…。
とはいえペンを入れてしまえば大きな修正は難しいですし、きりもないので先に進めていこうと思います。
双子 下描き
こちらの更新はどうにも滞り気味ですが、新作を描き始めました。
今回は企画展用の作品ではないので、久し振りに制作過程を記事にしてみようと思います。
ひとまずシャーペンで下描き。人物以外の要素はかなりざっくりとした状態ですが、はっきりした線画を描くより陰影で描き起こす方が良さそうなのでこの段階ではアタリ程度にしてあります。
ここまで進めるだけでも思いの外時間が掛かってしまいました。近頃どうにも細かいところが気になり修正してばかりで、なかなか作業が進んでいきません。
どうにも納得いくものが描けないちょっとしたスランプという状態ですが、自分の中のハードルが上がったという事で成長の兆しとも考えられます。
正直しんどい状態ではありますが、腰を据えてしっかり絵に向き合っていきたいところです。
煙と憂鬱
引き続きポストカードサイズのミニ原画。
傷付いたような雰囲気の少女と煙草という組み合わせで描きたくなったらしい一枚です。
目力を意識して睨みつけるような表情で描いてみました。どこに需要があるのかいまいちわからない感じの絵になった気がしますが、描きたくなったものは仕方ありません(笑)
具体的な背景は描いてありませんが、曇天の屋外をイメージしてモノトーンに近いくすんだ色合いに仕上げました。
煙草の煙は不透明水彩で描き入れましたが、こういう不定形のモチーフは難しいですね。これもデジタルの方が楽な部分です…。
ミニ原画もなるべくイメージの被らないものを描こうと思っていますが、ポストカードサイズで描きやすく見栄えのする構図は限られてくるので、少々ネタ切れになってきました。
そろそろ少し大きめの絵も描きたいですね…。