現在開催中のグループ展「愛知百鬼夜行展」に出展している作品です。
今回の企画は作家それぞれが妖怪を一体ずつ選んで描くというものなので、自分は「道成寺鐘」の伝説より「清姫」を選んで描かせていただきました。
嘘をついて裏切った男を蛇に身を変えて追いかけ、鐘の中に逃げ込んだ男を焼き殺した美女の妖怪です。
前景には蛇に変化しようとする清姫の姿、背景には大蛇と鐘という構成で描いています。
明確な物語をもった妖怪だけに、絵に起こす際にはイメージしやすく構図はすんなり決まりました。
普段は儚さや繊細さを重視して描いていますが、今回は怒りや情念を表現することを意識して迫力のある描写を目指しました。
妖怪がテーマなので「怖さ」を感じていただけたら嬉しいですね。
作画に関してはとにかく蛇の鱗に苦戦しています。規則的なパターンを繰り返すモチーフはどうにも苦手で、描き進めるうちにズレが大きくなり修正を繰り返しました。
画材は鉛筆の下絵に水彩で下塗り、最終的にデジタルで仕上げるという最近よくやっているパターンです。
炎のエフェクトなどはやはりデジタルが有利になる部分ですね。
今回は普段よりも大きめのA3サイズで制作、展示しています。
会場もとても雰囲気のある場所ですので、ぜひ実際に足を運んでみていただきたいです。
お時間ありましたらよろしくお願いいたします。