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イラストレーター 夕橙のブログ

イラストレーター、夕橙のブログです。自作のイラストなどを公開していきます。

四季連作・秋 着彩前

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鉛筆で描き込みました。全体に陰影が着いて空間や立体感が出てきたのではないでしょうか。この工程で全体の明度の分布がほぼ決まります。

逆光のライティングでミステリアスなムードを出す事と、夕日が沈む空の抜け感を出す事を目標に描きました。

初めは2B位の柔らかめの鉛筆で大まかな影を描いて、徐々に固めの鉛筆も使いながら調子を整えていきます。鉛筆の描写は根気よく手数を掛けていって、一定以上の密度になった時に一気に説得力が増す気がします。

自分はこの段階でモノクロのイラストとして成立する位に描こうとしますが、透明水彩で仕上げる場合この方法はある意味不適切かもしれません。透明水彩の持ち味である淡い色彩の鮮やかさや透明感というものが、鉛筆の黒によって制限されてしまう事になる為です。

ではなぜ自分がこのような描き方をするかと言うと、鮮やかで明るい色彩よりも渋く深みのある色彩を好む事もありますが、正直なところ絵の具の表現が苦手だからです。

絵の具だけで色彩と明度の両方を上手くコントロールする自信が無いので、明度をペンと鉛筆で作り込む事で要素を分け、絵の具での表現の比重を下げているというわけです。

苦手な事を克服するために努力するという姿勢はとても大事なことですが、得意分野を伸ばすことで弱点を補うという考え方もアリだと思っています。特に練習ではなく作品として完成させる意図で描いている場合、その時点での最大のクオリティを出す事が必要なので、自分に出来る事のなかで一番上手くできる方法を選ぶべきではないかと。そうして選び取った方法が個性につながっていくとも思います。

さて、これから着彩に入ります。毎回失敗しないか不安になる工程ですが、頑張っていこうと思います。