前回に引き続きキャラのラフと設定を書いていきます。
左:茨木 紅(いばらき こう)右:菊池 瑠衣(きくち るい)
紅が鬼となった少年、瑠衣が紅に憑いている幽霊の少女です。
紅の名字の茨木は伝承の鬼、「茨木童子」から。名前は自分の中で鬼は赤のイメージが強いのと、白姫とコンビになるので合わせて「紅白」になるようにしました。
瑠衣の名字は幽霊なので「番町皿屋敷」のお菊から「菊」の字を入れました。名前は薄幸の少女なので涙の音読みから「るい」。「累ヶ淵」の累ともかけています。
キャラの名前はなるべく意味を持たせたいと思っていますが、響きだけで決めることも多いです。あっさり決まればいいのですが、迷いだすとなかなか決まりません。
紅は普段は黒髪の高校生男子ですが、鬼の力が発現すると髪と目が赤くなり怪力を発揮します。その際顔を隠す為に鬼面をかぶります。左腕の包帯は鬼になった事で食人の衝動に襲われるようになり、痛みで理性を保つ為に自傷をしていた為のものです。
基本的には特徴のない普通の高校生、という感じのデザインで鬼面とのギャップを狙っています。髪型は鬼面を装着する前提でデザインしました。
性格は後述の瑠衣の死と鬼となった経緯から影があり無愛想な印象ですが、根はまっすぐで直情的なタイプです。いわゆる「主人公タイプ」のイメージですね。
鬼モード。鬼面に対し衣装がさすがに地味なので、外套を追加しました。制服丸出しより「素性を隠す」という目的にも合致していると思います。「怪人黒マント」みたいに都市伝説化しているという設定にしても面白いですね。
瑠衣は紅と幼馴染の難病で亡くなった少女です。イラストで一枚に三人入れることもあり、デザインは割とシンプルにしました。白姫がややつり目でポニーテールと活発な印象なので、バランスをとっておとなしそうなイメージにしています。シルエットに変化を付けて幽霊っぽい浮遊感を出すためアホ毛を立ててみました。
瑠衣は幼い頃から病気がちで、いつも紅がそばにいて守ってきました。二人は自然に惹かれ合い「ずっと一緒にいる」と約束を交わすのですが、瑠衣が病に倒れ衰弱していく姿を見るのが辛くなった紅は次第に見舞いに行く事を避けるようになります。
一方瑠衣は自分が先に逝ってしまい約束を破ってしまう事を気に病んでいました。そして死の間際に母親に「紅と一緒になりたい」と、自分の遺体を紅に食べさせるよう願います。一人娘の死のショックで正常な判断力を失った母親は娘の最期の願いを叶えようと紅に瑠衣の肉で作った料理を振る舞います。
それを食べた紅は食人の禁忌と瑠衣への罪悪感、そして瑠衣の狂気とも言える想いによって鬼へと変化します。瑠衣は紅の鬼の力の源であり、二人の魂は肉と想念によって強く結びついています。
その後鬼の食人衝動の為に人を遠ざけて学校にも来なくなった紅を不審に思った白姫が紅の元を訪れ、紅を人に戻す為に瑠衣を祓おうとしますが、「瑠衣を一度見捨てた」という罪悪感から紅はそれに抵抗します。二人の魂の結びつきが強く片方だけを祓うのが困難な事もあり、結局紅は白姫と契約して使役される関係となります。白姫の神気を受けている間は食人衝動を抑えられる為、常に白姫のそばにいる事になります。
瑠衣にとって白姫はお邪魔虫なので二人は折り合いが悪いのですが、紅が自分以外の人間を「食べる=一緒になる」事を望まないので仕方なく納得しています。
「ラノベっぽい」がコンセプトなので、割とダークなバックボーンがありますが最終的に妙な三角関係に着地しました。こんな感じでキャラと設定はある程度できたので、このイメージでイラストを描いていこうと思います。