ようやく完成です。正式タイトルは「朽ちた永遠」。
前回から主にキャラのライトを中心に加筆しています。暗い背景とキャラのシャドウ部の分離をよくするため、境目に彩度の高い色を差しました。
人形と時計は目立つように明るめにし、他にも全体的に明度やコントラストを調整しています。
最後に統合したレイヤーをぼかしてスクリーンで重ねる「グロー効果」と言われる加工を軽く施しています。光が柔らかく反射したような効果が得られ、幻想的な雰囲気を強調しています。
今回のテーマは「死の永遠」。命のない人形と死して「物」となった男の、生者でないが故の永遠の愛といったイメージです。
骸骨や時計、枯れた花といったモチーフは「生の虚しさ」を訴え虚飾を戒めるヴァニタスという静物画のジャンルで多用されるものです。この絵では「生の虚しさ」から転じて逆説的に「死の永遠」を表すモチーフとして描きました。
山田唄様がコメントで指摘して下さった通り、壊れた時計は時の止まったような永遠性を表し、窓枠は死の象徴としての十字架に見立てています。
今回は好きなモチーフを時間を掛けてじっくり描いていきました。自分なりに細部まで拘って描いたので、気に入っていただけたら嬉しいです。ここまでお付き合い下さった皆様、ありがとうございました。
