ようやく完成しました。正式タイトルは「欠けた半身」。
死んだ双子の片割れを模した人形を抱く少女、というイメージです。
少女の片方が人形である事に気付いた時に設定が見えてくるような狙いで描きました。
前回の記事にて山田唄様から指摘いただいたように、人形と生身の少女の対比として、人形の顔のヒビと少女の涙を対応させて描いています。
前回までで塗り込みは進んでいたので、後はほとんど完成度を上げるための仕上げの作業でした。
水彩で塗り重ねた上からタッチを整えるために鉛筆で加筆を行い、追加した鉛筆のタッチをなじませるために透明水彩を少し重ね、不透明水彩でライトを加筆しました。
最後にアクセントとしてホワイトを散らしてあります。
この仕上げの工程で一気に絵が締まって見栄えが上がってくるように思います。
不透明の加筆は面積としては小さいですが、大きくクオリティを左右する部分です。
画面ではわからないのですが、原画では不透明で描いた部分は紙の下地とは質感が違うのでライト部分が浮き立って見えてきます。
複数の画材による質感の違いが楽しめるのもアナログならではの魅力ですね。
割とスランプ気味で描き始めは苦労した作品ですが、最終的にはいい雰囲気に仕上げられたように思います。
ここまでお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。
この作品の原画は2月26日に開催されるイベント「アーティズムマーケット」にて展示します。前述の通り原画でしかわからない味がありますので、都合のつく方はブースにお越しいただければ幸いです。
イベントの詳細も近日中にまとめたいと思います。