静寂に息衝くもの
愛知県「箱の中のお店」にて2016年10月30日(日)~11月12日(土)開催のグループ展「廃都市」出展作品です。
今回は久しぶりにアナログで仕上げました。使用画材はペン、鉛筆、透明水彩。
展示に何度か参加させていただいた中で、やはり「原画」である事の強みは大きいと感じていたので今回はアナログ作品で参加しました。
テーマの「廃墟」に合わせて、人の住まなくなった廃屋に打ち捨てられた壊れた人形というイメージで描きました。
人の営みが絶え、時を止めた空間にひっそりと息衝く「気配」を感じるような作品を目指しています。
格子窓越しに室内を覗くような形で構図を取り、朽ちた建物の不安定感を演出するために画面を少し傾けています。
室内は薄暗くしてメインの人形が白く浮き上がるような見え方を意識しました。
屋外の薔薇は黒薔薇にして、全体的にくすんだトーンの中で人形に絡んだ赤薔薇が目を引くようにしています。
今回は細かい要素が多い為、主線はつけペンでペン入れして形をはっきりさせています。人形の髪だけは柔らかく仕上げたかったのでポイントだけを押さえる形でペンを使い、ほぼ鉛筆のタッチで形を起こしました。
アナログで本気で仕上げたのはほぼ1年ぶりなのでやや不安もありましたが、デジタルでは出せない味もあり悪くない作品に仕上がったと思います。
近頃アナログで習作等も描きましたが、割と好評で周囲からもアナログ作品を勧められているので、今後はバランス良くデジタルもアナログも手掛けていきたいですね。
アナログ作品はやはり原画で見るのが一番なので、お近くの方は是非会場に足を運んでみて下さい。