イラストレーター 夕橙のブログ

イラストレーター、夕橙のブログです。自作のイラストなどを公開していきます。

和紙習作

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かなり久々の更新です。

描いていないわけではないのですが、イベント出展や展示作品の制作にかかりきりでなかなかこちらにまで手が回りません…。

今回は戴き物の和紙に試し描きしてみたものです。

人物は次回の展示に出す作品に描いたキャラですが、展示作品とは少し違ったイメージにしてあります。

和紙に絵を描くのは初めてでしたが、普段使用している水彩紙とはかなり勝手が違い苦戦しました。

自分の作風はかなり鉛筆のタッチの比重が高いのですが、その鉛筆の乗りが悪く細かな陰影を作り込むことが難しかったです。

鉛筆だけでは下絵がうまく作れなかったので、ペンで主線を起こして対応しています。

水彩は柔らかで味のあるにじみ具合が魅力的ですが、何度も重ね塗りをするのには向かない印象。

塗りに関しても普段の自分のスタイルでは相性の悪い紙のようです…。

細かく繊細に作り込むというよりは、大胆なタッチで紙の風合いを活かすような描き方に合っていそうです。

 

結果的に仕上がりとしては微妙な出来になってしまった気がしますが、紙の相性の重要さや自分が普段どれだけ鉛筆に頼って描いているのかという事が実感でき、勉強になったように思います。

紙に関してはあまり多くを試せてはいないので、今後研究していきたいところです。

黒百合

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現在開催中のグループ展「花*華展」に出展している新作です。

yudie.hatenablog.com

今回は旧作含む4点の作品を展示させていただいていますが、旧作はデジタル仕上げのもののみだったので、新作はアナログで制作して原画を展示しています。

今回のテーマ「花」にちなんで、花言葉をテーマとして制作しました。

選んだ花は黒百合。花言葉は「恋」と「呪い」です。

顔周りはすっきりとまとめて目を引くように描き、後ろ手に持った藁人形と釘には花を被せて敢えて目立たないように構成しました。

黒百合の花言葉の表と裏、恋する気持ちと表裏一体の屈折した感情といったイメージで、細部を見ていくと意味がわかるというような表現を意識しました。

少女は瞳のハイライトを抑えて、何を考えているのかわからないような雰囲気にしています。

表情は個人的にはイメージ通りによく描けたのではないかと思います。

全体的に色味も渋く、地味ですが深みのある自分らしい絵になったのではないでしょうか。

展示は今月18日まで。作品数も多く充実した展示となっておりますので、足を運んでいただけましたら幸いです。

クリエーターズマーケットvol.36 告知

グループ展「花色金魚想」が無事終了いたしました。

今回も多くの方にご来場いただき、充実した展示となりました。ご来場くださった皆様、ありがとうございました。

 

次回の参加イベントの日程も近付いてきましたので、詳細をまとめていこうと思います。

6月17日(土)、18日(日)の二日間、愛知県「ポートメッセなごや」にて開催される「クリエーターズマーケットvol.36」に出展します。

ブースは2号館「M-347」。ミニブースで両日出展です。

 

リエーターズマーケットには昨年の夏から参加してきましたが、今回は初の単独出展となります。

東海最大規模の即売イベントなので、興味のある方は是非足を運んでみて下さい。

新刊も頒布予定です。以下に商品をまとめていきます。

 

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Doll-Miss.Merry-

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8月の企画展に合わせて物販で販売予定のアクリルキーホルダー用のイラスト。

企画展のテーマが「妖怪」なので、個人的に一推しの妖怪「メリーさん」をモチーフにしています。

捨てられた人形が電話をかけながら少しずつ近付いてくるという、都市伝説系の妖怪ですね。

アクリルキーホルダーとしての使いやすさを意識して、円形の構図になるように構成しています。

人形モチーフ、モノトーンに赤の差し色等、自分の好みが前面に出たキャラになりました。

企画展の詳細については会期が近付いたらまたこちらでも告知いたします。

展示作品はまた別の妖怪を描きますので、そちらも楽しみにしていただけたら幸いです。

水葬-金魚鉢-

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愛知県「箱の中のお店」にて現在開催中のグループ展「花色金魚想」に出展している作品です。

yudie.hatenablog.com

「花と金魚」というテーマから華やかで明るい作品が多くなると予想して、敢えてダークなテーマで描いてみました。ダークなのはいつもの事ですが…。

鉛筆の下絵に軽く水彩で色を乗せて、デジタルで細かく描き込んで仕上げました。

「葬式」というイメージに合わせて極端に彩度を抑えたモノクロに近い色味で描き、金魚の赤を浮き上がらせるようにしています。

金魚鉢の中の少女は上半身のみにして、衣服の広がりと合わせて金魚のようなフォルムを意識しています。

前景の菊の花はとても細かく大変なモチーフでしたが、時間を掛けて丁寧に描きました。

作品はデジタルですが、展示は高級和紙にプリント、額装にもこだわっています。

会場にて実物をご覧いただけましたら幸いです。

儚華

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新作イラストです。

前回の記事でちらっと書きましたが、次回のイベントの新刊としてミニ原画作品をまとめたミニ画集を発行しようと思うので、表紙用として描きました。

必然的に水彩画集となるので、表紙のイラストは水彩を活かした表現を目指して描いています。

儚い印象を出すため、淡い色遣いを意識して水彩のにじみを多用しています。

鉛筆のタッチは普段より控えめにして、黒の絵の具もほとんど使用していないため、いつになく鮮やかで明るい印象になりました。

画面左側は裏表紙にあたるので具体的なモチーフは描かず、花弁が透けたようなイメージを重ねています。

花弁の表現にはマスキングインクを使用してみました。

マスキングをした上から水彩でランダムに塗り、マスクをはがした後違うパターンで再度マスクをかけて塗り重ねています。

マスキングインクを使用したのは初めてでしたが、効果としては面白いものができたように思います。

エッジが綺麗に決まらずホワイトの加筆で整えたりもしていますが…。

 

新刊やイベントの詳細については、また後日まとめていこうと思います。

落日

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次回のイベントに向けてミニ原画の新作です。

「サヨナラセイメイ。」DMイラストの別バージョンというイメージで、同じキャラをアナログで描いてみました。

こちらは「自殺」を示唆する要素を排して、「別れ」のイメージで描いています。

珍しく暖色メインのイラストですが、色を重ねすぎて少々汚くなってしまった感があります…。

暖色系は濁ると汚くなりがちなので気を付けないといけませんね。

水彩もある程度慣れてきましたが、まだまだ工夫が必要そうです。

表情は影を持たせつつも可愛く描けたように思います。

ミニ原画として描いた作品も数が増えてきたので、まとめて一冊のミニ画集にできないかと考えています。

次回のイベントに間に合えばいいのですが…。