イラストレーター 夕橙のブログ

イラストレーター、夕橙のブログです。自作のイラストなどを公開していきます。

黝闇の葬り火

f:id:yudie:20150215212457j:plain

久々にちゃんと仕上げたイラストです。以前に描いた春のイラスト「薄紅の墓標」に続く、夏のイラストになります。

以前の作品はこちら。

タイトルは「ゆうあんのおくりび」と読みます。「黝」はあおぐろい、という意味です。今回は連作ということでタイトルも色を表す言葉を入れて統一感を出そうと思ったのですが、なかなか決まらず妙にマニアックな漢字になってしまいました。

画材は主に付けペンと鉛筆と透明水彩。紙に直接下描きをして、付けペンで線画を清書、鉛筆で陰影等を書き込んだ後に透明水彩で着彩という工程です。

今回のイラストは背景の情報量が多いので、メインの人物とホオズキが背景に同化してしまわないように意識しました。

具体的には近景の人物とホオズキはコントラストと彩度を高めに、遠景の森は彩度を低くして暗めに塗るようにしています。遠景はもう少し暗く落とした方が良かった気がしますが…。

色調のコントロールはデジタルなら色調補正でいくらでも可能なのですが、アナログで塗る場合やり直しが効かないので計画的に進めていく必要があります。正直絵の具には苦手意識があって、うまく塗れるか不安なところでしたが、連作として描いているので画材はアナログに統一する事にしました。

色以外では、近景のみ付けペンで線画を描いて、遠景は鉛筆のみで描画しています。近景にピントを合わせて遠景は少しぼやけたような効果を狙ったものですね。

蛍の光不透明水彩で上塗りして描いています。こういった光の表現もデジタルの得意分野ですが、機械的な印象のデジタル描画よりも味があってこれはこれで悪くないと思います。

空の星も不透明水彩。専門学校で教わった歯ブラシに絵の具を付けて指で弾く、という方法で絵の具を散らしています。手軽に使える方法なので便利です。

珍しく技法の事など書いてみました。他の絵描きさんのブログを見させていただいて、触発されるものがあったので。自分はまだまだ未熟ですが、少しでも参考になるようでしたら幸いです。