本日無事に会期を終了いたしました、グループ展「椅子のある部屋」に出展していた作品です。
今回の企画は文章作家と絵作家のコラボレーション企画という事で、自分は澄夜 明様(
http://ilost.sdbx.jp/)の文章作品『独夜が明けるまで』を元に描かせていただきました。
この作品は幽霊の少女が登場するホラー調の短編で、ダークな味付けながら切なさもありとても魅力的なものでした。
自分の作風や世界観とも通じるものを感じたので、コラボ元に選ばせていただきました。
一枚の絵では表現できる情報量は限られるので、メインキャラクターのユウコさんに焦点を絞って自分なりのイメージで表現しています。
自分の持ち味も活かして、楽しんで描かせていただきました。
ロケーションが夜の倉庫という設定なので、全体に暗いトーンで窓からの月明かりをスポットライトのように当て、主役のユウコさんを浮かび上がらせるようなライティングにしてあります。
作画の面では乱雑に積み上がった椅子の描写に苦労しました。
こうした直線的でかっちりした形態は、単純なようで適当に描いているとズレが目立つので難しいですね…。
今回は鉛筆と水彩で下塗りまでを行い、デジタルで仕上げています。
全体に散らしたオーブのような白いエフェクトは、アナログで作った素材をスキャンしてデジタル合成しました。
今回の企画では文章に絵が付く事で双方が影響し合って広がりを感じられ、とても面白い展示となりました。
文章を切り取る絵作家の視点がそのまま作品に表れているようで、コラボ元の作家だけでなく他の作家の感性にも刺激され興味深い体験でした。
ご来場下さった皆様、ありがとうございました!
今回コラボさせていただいた澄夜 明様にも改めてお礼申し上げます。
素敵な作品の世界をお借りできて、とても楽しい制作でした。ありがとうございました!