イラストレーター 夕橙のブログ

イラストレーター、夕橙のブログです。自作のイラストなどを公開していきます。

血吸桜

先日グループ展「桜 Exhibition 2023」が無事終了いたしました。

残念ながら会場に赴くことはできませんでしたが、SNSの反応からも盛況が伝わってきて、とても良い展示となったように思います。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

 

今回の展示作品をこちらにも掲載します。

「血吸桜」

「桜の木の下には死体が埋まっている」「死体の血を吸って薄紅色に染まる」などといった話はよく聞かれるので、血を啜る桜の木の精霊といったイメージで描いてみました。

雰囲気としては和風吸血鬼といったところですね。

夜闇に白く浮かび上がる夜桜をイメージして、白を基調としてポイントに赤を差した配色としています。

サイズが大きめの作品で桜や骸骨など細かいモチーフも多く、思った以上に時間の掛かる制作となりました。

苦労した分思い入れもあり、自分としては気に入っています。

 

「桜 Exhibition 2023」東京でのメイン会期は終了しましたが、展示作品の図録やポスターはオンラインショップにて2023年10月31日まで販売しています。

onlineshop.sakura-ex.info

今年の出展作品も素晴らしいものばかりなので、ご興味あれば覗いてみてください。

 

現在は次回の展示作品を製作中です。

展示の詳細も追って告知させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

グループ展「桜 Exhibition 2023」告知

ずいぶん久々の更新となってしまいましたが、次回の展示の告知です。

 

東京・九段下のGallery CORSOにて開催されるグループ展「桜 Exhibition 2023」に出展します。

会期は2023年3月31日(金) ~4月9日(日)となります。

 

桜 Exhibitionは毎年春に開催されている10年以上の歴史ある公募展で、プロで活躍されている人気イラストレーターも多数参加され大きな盛り上がりを見せています。

自分は2019年以来、二度目の出展となります。

本会期以外にも海外を含む巡回展の開催が通例となっており、今年は世情を鑑みて検討との事ですが、今後情報の発表があるのではないかと思います。

展示の詳細は以下のリンクをご参照ください。

桜 Exhibition 2023

 

自分の作品はこんな感じ。

「桜」がメインテーマという事で桜の花をアイデアの起点として、自分らしくダークな世界観で味付けした作品となっています。

展示される作品は高品位オンデマンド印刷によるポスターとなります。

会場及びオンラインショップにて展示作品と同品質のポスターや展示作品を収録した図録の販売もありますので、ご興味ありましたら是非ご利用ください。

桜賞/オーディエンス賞選考のお気に入り作品投票も実施されるという事なので、そちらもご協力いただければ幸いです。

 

久し振りに大きなイベントへの参加という事で力を入れて描きましたので、多くの方に見ていただければ嬉しいです。

原画を披露する機会もどこかで設けられるといいですね。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年 明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

今年も無事新年を迎えることができました。

 

年賀絵は昨年末の「雪と伴に溶ける」で描いた作品の流れを汲んだ形となりました。

あっさりとした仕上げですが、手数を抑えた表現も形になってきたように思います。

 

今年の予定はまだほとんど決まっていませんが、少しずつエンジンを掛けて活動に臨んでいきたいですね。

改めて、今年もよろしくお願いします。

2022年活動まとめ

今年も年の瀬という事で、一年の活動を振り返ってまとめてみようと思います。

今年最も印象的だったのは、四季をテーマとした通年の企画に参加させていただいた事ですね。

一年を通して取り組んだ長丁場の製作で、その他の予定も合間を縫って組んでいく形となり、大変でしたが充実した活動となったように思います。

昨年はイベント出展があまりできませんでしたが、今年は新刊の画集を製作してイベントもある程度増やす事ができました。

改めて作品も添えて振り返っていきますので、よろしければお付き合いください。

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零れ花

今日も「雪と伴に溶ける」出展作品の掲載です。

「零れ花」

椿の花の落ちる様は生首の落ちる様と重なり不吉と捉えられる事もありますが、そういった連想から命の終わりというテーマになぞらえて表現した一枚です。

こちらも人物のバストアップでシンプルな構図となっていますが、被写界深度を意識したぼかしの表現を加えて奥行きを演出しています。

手前の花を大きくぼかした描写や逆光のライティング等、割と狙い通りの表現ができたように思います。

 

今回の作品はいずれも「情報量を絞って見せたいところを見せる」という試みに挑戦した形となりました。

隅々までしっかりと描き込んだ作品も好きですが、構成を精査して無駄を省いていく表現も身に付ければ武器になりそうですね。

 

これで展示作品3点の掲載も最後となりました。

改めて、四季と死期をテーマとした通年企画にお付き合いいただきありがとうございました。

今年は一年を通して季節というテーマと向き合う事となり、それぞれにモチーフやアプローチを工夫して製作する貴重な経験ができました。

 

「雪と伴に溶ける」をもって今年の活動は一区切りとなります。

来年の予定はまだ未定となっていますが、そろそろ個展の開催なども視野に入れていきたいと思っています。

現在進行中の案件もあるので、そちらを進めながらゆっくり考えていきたいですね。

今後もお付き合いいただけましたら幸いです。

ユビキリ

前回に引き続き、「雪と伴に溶ける」出展作品を掲載します。

「ユビキリ」

こちらは展示DMにも使用していただいた作品です。

DM用の作品は早めに提出する必要があったので、まだ暑い時期に冬の絵を描いていた事を覚えています。

DM掲載を前提に描いたので、人物を大きく入れたシンプルな構図で、パッと見てわかり易い表現を意識しています。

雪女という妖怪は信じた男に裏切られて心の凍りついた遊女の霊という説がある、とどこかで目にした記憶があり、そこからイメージして雪の中佇む女の幽霊というモチーフで描きました。

「ゆびきりげんまん」の「指切り」の元は、遊女が誓いの証として指を切り落として送った事に由来するとも言われます。

青白い画面に差した赤のアクセントが気に入っており、今回の展示では3作とも白と赤の組み合わせを軸としてまとめる形になりました。

 

残りの作品も追って掲載しますので、引き続きよろしくお願いいたします。

毒林檎

先日グループ展「雪と伴に溶ける」が無事終了いたしました。

儚くも情感豊かな物語を感じられる作品が多く、心に染み入るような良い展示となっていたように思います。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

 

今回の展示作品をこちらにも掲載していきます。

「毒林檎」

こちらは今回の展示作品3点の中で一番大きな、メインとなる作品です。

冬→雪という連想から白雪姫になぞらえて、虚ろに横たわる少女と林檎というモチーフを中心に構成しました。

積極的に死に向かうというわけでもなく、漠然と死にたくなるような憂鬱といったイメージです。

 

自分はつい画面を何かしらで埋めてしまいたくなるタイプなのですが、今回は余白を活かした表現を意識して、背景に紙の白をそのまま残した仕上げとしてみました。

変則的なポージング等も含めて挑戦的な作品で少し不安もありましたが、こちらの作品はお迎えもいただき、新たな試みを受け入れていただけたという手応えを感じられました。

今後も挑戦する意識を持って、様々な表現を試みていきたいですね。

 

今回の展示にはあと2点の描き下ろしがありますので、残りも順次公開していこうと思います。

引き続きお楽しみいただければ幸いです。